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ビジネスを加速させる次世代ローコード開発とは

こんにちは、雄谷です。
 
桜も満開になり、すっかり春本番ですね。私は花粉にやられておりますが、皆さまは如何お過ごしでしょうか。
日頃、株式会社ラキールのコンサルティング部門で、多くの企業のシステムマイグレーションやLaKeel DXによるデジタル化・DX推進を支援しております。
 
今回は、DXとセットで語られることが増えている『ローコード開発』について書きたいと思います。

加速している日本のDXの状況

ローコード開発について書く前に、その目的である日本企業のDXの取り組み状況とその成果に関してお話いたします。

日本企業のDXへの取り組みと成果の状況

IPAが発表している「DX白書2023」のデータによると、日本企業のDX取り組み状況は21年度から増加しており、「成果が出ている」と回答した企業は58%に及びます。
このデータが示す通り、日本企業のDXへの取り組みは、年々加速していることが分かります。
 
一方で、未だに29%弱の企業はDXに取り組んでおらず、DXに取り組んでいる企業でも22%強は成果が出ていないと感じているようです。
 
では、『いまだDXに取り組めていない』 『取り組んでいるのに成果が出ない』 要因には何があるのでしょう?
 
総務省が22年に発表したデータを見ると、DXに取り組む上での課題として、
①「人材不足」
②「デジタル技術の知識・リテラシー不足」

と回答した企業が高い割合となっているようです。

注目されるローコード開発

特に「人材不足」の課題は、DXへの動きが加速する中で非常に大きな課題になっているようです。

DX推進における課題

「DX白書2023」によると、人材の「量」の確保では、80%以上の企業が「不足している」と回答しており、約50%の企業は「大幅に不足している」と回答しています。
 
また、人材の「質」の確保においても、85%の企業が「不足している」と回答し、50%以上の企業が「大幅に不足している」と回答しています。
 
つまり、「量」「質」ともに21年度と比較して「大幅に不足している」と回答した割合が増加しています。
 
このような背景の中で、日本企業におけるDX化に向けたレガシーシステム脱却の手段として注目されるのが、今回のテーマとなる「ローコード/ノーコード開発」です。
 
また、日本企業がDX推進上の課題として回答している「デジタル技術の知識・リテラシー不足」への解決策にもなる手段だと考えられます。
 
その結果という訳でもないでしょうが、ITRが発表したレポートを見ると「ローコード/ノーコード開発」の市場は年々拡大しており、2026年には1330億円規模の市場になると予測されています。

ノーコード/ローコード開発のメリットとデメリット

「ローコード/ノーコード開発」の市場規模拡大に伴い、様々な「ローコード/ノーコード開発」ツールの活用が浸透してきているようです。皆さんも、インターネット広告などで非常に目にする機会が多くなっている実感をお持ちだと思います。
 
しかし、一般的な「ローコード/ノーコード開発」ツールにはメリット・デメリットが存在します。

まず、メリットとしては、以下のあたりでしょうか。 

「ローコード/ノーコード開発」ツールのメリット

「エンジニアなしでも開発が可能」
非エンジニアでもシステム開発が可能なため、不足するIT人材を補う措置として有効かと思います。
 
「標準機能の汎用性・拡張性が高い」
「ローコード/ノーコード開発」が対応できるシステム開発の分野は、対象業務における標準的な機能が主なため、流用できるテンプレートが多数用意されており汎用性・拡張性が高いと言えます。
 
「高速で開発が可能」
簡単なGUI操作でシステム開発が可能なため、誰でも効率的に高速でシステム開発が可能になります。
 
一方で、デメリットを挙げると以下のあたりになるかと思います。

「ローコード/ノーコード開発」ツールノデメリット

「大規模開発に向かない」
「実装機能に制限がある」
「ローコード/ノーコード開発」は、システムの標準的機能のサポートを目的としているため、他システムとの接続を伴うような基幹システムには対応するハードは非常に高いと考えられます。
 
また、想定された業務機能での有効性がありますが、拡張性や変更容易性には制限があることが多く、自社特有の業務に合わせた独自のロジックを作成するために、別途開発が必要になるケースが多数見受けられます。
 
「データガバナンスの低下」
「ローコード/ノーコード開発」では、様々な人が簡単にシステム開発を行える半面、データや承認フロー等の管理が行き届かず、組織内でデータが散在してしまうというデメリットもあります。
 
このように「ローコード/ノーコード開発」ツールには、ご多分に漏れずメリット・デメリットそれぞれの面が存在していますので、適用領域とツールの選定が大きなポイントになります。

必ずレガシー化するこれまでのシステム構築

これまでのシステム開発の課題

また、「ローコード/ノーコード」で開発したシステムも、いつかはレガシー化(陳腐化)してしまいます。
 
レガシー化により数年毎に繰り返すシステムリプレイスには膨大な時間と労力を消費し、企業は常にシステムにおいて技術的負債を溜め込む構造になります。
 
DXが加速する中でビジネススピードに対応するためには、その都度開発を行う必要があり、結果“非効率なIT投資”となってしまうことが想定されます。
 
このような状況の中で、ビジネススピードに対応し、これを更に加速させるための効率的なIT投資を実現する新たな「ローコード開発」ツールが必要であると我々は考えています。

ビジネスを加速させる次世代ローコード開発基盤

さて、ここからが本題です!

LaKeel DXのローコード開発基盤の概要

勘の良い皆さんはご承知だと思いますが、これらの課題を解決する「ローコード開発」ツールが「LaKeel DX」です!
 
我々は、ビジネススピードに柔軟に対応するためのシステム内製化を支援し、企業のDXを実現する新たな選択肢として「LaKeel DX」を提案しています。
 
また、「LaKeel DX」は、基幹システムの開発・運用まで対応した次世代ローコード開発基盤でもあります。
 マイクロサービスとマイクロフロントエンドアーキテクチャを採用することにより、
・ 機能変更や拡張が容易
・ 常にシステムを最適に保ちリプレイスが不要
となります。
 
全ての画面機能・業務機能を部品化して蓄積し、これらを組み合せることで部品の再利用が可能となり、更なる高速開発を実現します。また、システム部品が蓄積されるに従い、ローコード開発による実装機能の範囲も拡大します。
 
LaKeel DXで開発されたシステムは、システム部品(画面部品・機能部品)を組み合せて構築されているため、わかりやすく、企業の情報システム部様にも容易にシステム構造を把握いただくことが可能です。
 
「LaKeel DX」が提供する部品の組み合わせ(コンポーネント化)には、以下のパターンがあります。 

パターン1: 画面部品の組み合わせ
・ LaKeel Visual Mosaic+コンポーネントスタジオ ※1
・ 画面を自由に構築可能に。
パターン2: 機能部品の組み合わせ
・ LaKeel Synergy Logic ※2
・ ビジネスロジックを自由に、また既存ロジックに影響を与えない形で構築可能に。
パターン3: 画面部品と機能部品の組み合わせ
・ LaKeel Visual Mosaic+LaKeel Synergy Logic
・ システムを自由に構築可能に。
 
「LaKeel DX」が提供するローコードツールにより、画面など簡単な改修は業務担当者が行い、難易度の高い部品開発を情報システム部やベンダーに委託するなど、役割を分けることができ、システム開発における柔軟性とスピードを各段にアップします。
 
また、私の部門ではシステム導入から内製化の推進までを支援するコンサルティングサービスも提供しています!

※1:画面部品を蓄積し再利用するLaKeel Visual Mosaic / コンポーネントスタジオ

LaKeel DXのローコード開発ツールである「コンポーネントスタジオ」は、画面部品を蓄積してこれを再利用する仕組みであり、ローコードで直感的にパーツを組み合わせてオリジナルのウィジェットを作成が可能です。
 
当然、ウィジェットから呼び出される業務部品(マイクロサービスで開発されたビジネスロジック)と組み合わされた状態になっていますので、利用者は画面を作成する事だけを意識しておけば、いつの間にかシステムが完成している状態になります。
 
作成したウィジェットは、ドラックアンドドロップで簡単に画面に配置することができ、社内の様々なシステムで利用できます。
 
独自のロジックを組むことも可能で、連携可能な外部サービスも豊富なため、自社の業務に合わせたオリジナルのパーツを作成することができます。
 
作成したパーツはコンポーネントスタジオに蓄積され、再利用が可能です。再利用により開発量を削減し、高速化を実現します。

※2:サービス部品を蓄積し再利用するLaKeel Synergy Logic

LaKeel Synergy Logicは、LaKeel DX上で実行するサービスを機能部品として管理する仕組みです。

複数のサービスをつなぎ合わせて1つの処理に組合わせるオーケストレーション機能や、他の利用者に影響を与えないように特定ユーザ向けの機能拡張・機能変更を実現します。

IT投資構造を変革するサステナブルソフトウェア

ここで、ちょっと話を整理します。

これまでのシステム構築とLaKeel DXでのシステム構築

これまでのITの常識

数年ごとに莫大な時間・労力を使ってシステムのリプレイスを繰り返してきました。
システムベンダーに開発を任せているので、システムはブラックボックス化し、コストも膨大化していたかと思います。

LaKeel DXの考え方

機能を部品単位で開発し、これをIT資産として蓄積できる構造になっています。そして、これらの部品を組み合わせて開発を行うことで、開発者の工数を削減し、生産性を向上します。
つまり、投資したコストを無駄にせず、技術的資産を積み上げることで投資効果を最大化します。
 
新しいシステムを開発する際には、LaKeel DXプラットフォーム上で開発することで、既存システムのシステム部品部品(画面部品・機能部品)を流用することができます。
 
もし不足する機能があれば、それを補うための最小限の部品開発のみで新システムの開発が可能となるため、開発期間・コストを大幅に削減します。
 
また、システムは部品(画面部品・機能部品)を組み合わせて作られているため、影響範囲の調査・全体の再設計・再テストといったこれまでのシステム開発では当たり前の作業(工数)も必要なくなり、部分的・限定的な変更(設計・テスト)のみで改修が実現できます。

同じローコード開発でもIT投資効率に大きな差が生まれる

LaKeel DXでのローコード開発の考え方

これまではレガシー化した基幹システムをリプレイスする際、新しい基幹システムやパッケージで補えない部分をローコードで開発していました。
 
一般的なローコード開発ツールで一度開発したシステムは、経年により陳腐化してしまい、自社で開発した補えない部分を再度開発する必要があります。
 
つまりローコード開発ツールで内製化したとしても、陳腐化する度に同じ開発を繰り返す“非効率なIT投資”のサイクルを繰り返していました。

LaKeel DXを活用したローコード開発による効果

LaKeel DXを活用したローコード開発により3つの効果があります。
 
効果1:
開催するシステムの難易度に合わせて開発する担当者を分けることが出来る為、システム開発の柔軟性とスピードが向上します。
 
効果2:
開発したシステムはマイクロサービスで構築されているため、部分的な改修・開発のみでシステムが常に最新化・最適化され、リプレイス不要のサステナブルソフトウェアを実現します。
 
効果3:
LaKeel DX上で開発された機能は部品として蓄積され、再利用が可能なため、高速での開発が可能となります。

ローコードを活用しDXを成功させるポイント

ここまで実際のお客様の例をご紹介してまいりましたが、最後に多くの企業のDX推進をお手伝いしてきた私たちが考えるローコード開発ツールを活用してDXを成功させるポイントをお伝えします。
 
ポイント1:
短期的なビジネスの成功だけでなく長期的な生産性の向上も期待できるローコード/ノーコード開発ツールを選ぶ
 
ポイント2:
既存システムを活用しながら、システム開発の内製化を進めることができるベンダーとの協力体制
 
ポイント3:
将来的には基幹システムやメインフレームのリプレイスも可能なツールを選ぶ
 
これらのポイントを抑えて、自社でどのようなローコード開発ツールを選ぶべきかを適切に判断してシステム開発の内製化を進めることで、「2025年の崖」を超え、デジタルによる新しいビジネスを創出し、目指すべき「真のDX」を実現することができると考えています。
 
そして私たちはデジタルネイティブカンパニーとして、今後も「真のDX」の実現を目指す企業をサポートしていきたいと考えています。
 
是非、ラキールとLaKeel DXをよろしくお願いします!

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コンポーネントスタジオの概略や事例を交えてご紹介いたしますので、是非、以下のリンク先にあるサービス資料をご覧ください。
『ビジネスを加速させる次世代ローコード開発とは』